「1年目からでも、訪問看護はできる」という想い最近よく聞かれるんです。「新卒や若手の看護師さんって、訪問看護向いてないんじゃない?」って。でも、私はそうは思わないんです。「1年目からでも、訪問看護はできる」ちょっと過激な意見に聞こえるかもしれませんが(笑)、これは私の強い信念なんです。もちろん、そのためにはしっかりとした教育体制が必要で、これは私たちの会社でもこれから強化していかないといけないところですけどね。実は訪問看護って、技術よりも人間性が大切なんです。技術は後からでも身につけられますが、人間性って、そう簡単には変えられない。経営者によっては「技術がないとダメ」って考える方もいると思うんですが、私は違う見方をしています。人間性という土台があって、その上に技術が乗っかっているイメージです。土台がしっかりしていれば、技術は必ず身につけられる。訪問看護に必要な「人間性」って?「人間性」って言葉、すごく抽象的ですよね(笑)。具体的に言うと、共感力、協調性、自己成長力、そして基本的な礼儀正しさや清潔感への意識なんです。特に大切なのが共感力。他人の痛みや辛さ、悲しみを表面的じゃなくて、自分のことのように感じられること。実は私が27歳のときに父を亡くしているんです。だからこそ、家族の気持ちが痛いほど分かる。看護学生さんにも「友達との関係でも、心で感じることが大切だよ」って伝えています。あと、訪問看護って本当にパーソナルな場所(自宅)に入らせていただくんです。どんなに技術があっても、まず受け入れてもらえないと始まらない。だからこそ、人としての基本的な部分がすごく大切なんです。スタッフの「働きやすさ」へのこだわり仕事って、人生の全てじゃないと思うんです。プライベートが充実してこその仕事だと思うので、ワークライフバランスはすごく大切にしています。私自身は子どもがいないんですが、子育て中のスタッフを見てきて、そういった方々をサポートできる環境を作りたいって強く思っています。完璧にはいかないかもしれないけど。自分の挫折経験から学んだこと実は私も新人の頃は、同期と比べて全然仕事ができない方でした。自分が取り残されていく経験をしているからこそ、新人さんには同じ思いをさせたくないんです。新人の頃って、何を頑張ったらいいのか分からないんですよね。私もそうでした。だからこそ、「今はここが課題で、こういうところを伸ばしていこう」って具体的にアドバイスできる環境を作りたいと思っています。今は夢の段階ですが、地域の病院と連携して新人教育の場を作れたらいいなって考えています。技術も大切ですが、それ以上に「人としての成長」を支援できる場所にしていきたいですね。みんなが「ここで働けて良かった」って思える職場。それが私の目指している環境なんです。まだまだ道半ばですが(笑)、一歩一歩進んでいきたいと思います。